トリップトラップという思い出。
和果が生まれてモノが増えた。
買ったモノ、頂いたモノ。
どれも嬉しいモノばかりなのだが、、
その中のひとつ、トリップトラップ。
以前勤めていた会社の仲間からお祝いでもらった椅子。
これには、とくに思い入れがある。
ノルウェーのストッケ社が1972年に販売を開始、以来40年近く、世界的なロングセラーとして世に送り続けられている名品。
そんな普遍的な椅子を創り出したデザイナーが、同じくノルウェーのピーター・オプスヴィックという人物である。
『Baby Life』という本を編集していた頃、ピーター氏を現地で取材する機会に恵まれた。
氏がこの椅子をデザインしたきっかけは、いたって単純。
「その頃ちょうど自分に子どもが生まれたのだが、座らせたいと思える椅子が無かった。だったら自分はデザイナーなんだから、自分で創り出そうって」
「創りたかったのは、成長とともに、ずっと使い続けられる椅子。その当時、子ども用の椅子っていうのは、子どもの時にしか使えない、大きくなったら使えなくなる、という考えが当たり前だった。ボクはそれがイヤだった。大人になっても座り続けられる椅子を創りたかった」
そして誕生したのが、このトリップトラップだった。
この椅子の何がスゴイって、デザインの細部に至るまでと、使われているパーツや部品に、一切の変更が無い点。
つまり、40年前と何ら変わってなく、最初っから完璧なデザインであったコト。
たとえば古くなったトリップトラップのあるパーツを交換したくなったら、今のパーツがそのまま使えるのだ。
まさに、ずーっと、何代に渡っても、使い続けられる椅子!
北欧に行くと本当にビックリするのだが、いたるところ、トリップトラップだらけなのだ。
子どもが集まる保育園や幼稚園はもちろん、レストランや図書館のような公共施設、取材で訪ねた家々にもトリップトラップが必ずあった。
ここ数年の間で、日本でも、たとえば無印あたりとか、トリップトラップを使うところが確実に増えてきているわけで。
国や時代を問わず、ましてデザインや機能性は一切変わらず、それでいて世界中で愛され続けるモノを創り出すって、いち工業製品として、そうあるものじゃないと思う。
スゴイなー、ピーターさん。。
あの取材から、およそ4年。
まさか、自分に子どもができ、こうしてこの椅子を持つようになるとは、ねえ…
↓ ちなみに。
これはストッケ社を取材したときに頂いたミニトリップトラップ。
↓ もうひとつの椅子。
今の会社の同僚から頂いたモノ。佐々木デザイン製です。