雑記「ぶえんぷろべーちょ。」

~ 「音楽」「旅」「本」「映画」を中心に、お腹に優しい雑記(備忘録)を綴ります ~

インドからK2、観光人類学と続いた1週間。

ゆったりした時間。
こんな気分の休日、久しぶり。
午前中は買い物に行って。
奥さんは午後から外出して。
和果が昼寝の間、映画チャンネルをつけて、どーでもいい映画を観て。
和果が起きて、遅い昼ごはんを食べさせて。
そして、こうして、なんとなく書き出しました、と。


自分で自分の近況を思い出してみると。
先週末は「インドフェスティバル」なるものを見に代々木公園へ。
インドだけじゃ成立しなかったのか、ほかのアジアや南米やらの屋台がたくさん出ていて、ゴッチャゴチャでコンセプトも何もあったもんじゃなかったけど。
ステージではまーったく無名のアイドルが歌ってたり。
にしても暑かった! そんな記憶が一番に思い出され(笑)。
ま、和果がそれなりに楽しそうだったので良かったな、と。





で、その後。昨日までの1週間は、というと。
なんだろう、きっと多くの人たちがそうで、結局どこに居ようが、何をしようが、当たり前のようにそんな思いを抱えながら過ごしているのかもしれないけれど。
とくにこれといった大きな出来事もなく、かといって平穏無事って言えるだけの安定した日々じゃないんだけど、ねえ?
「あっという間の1週間でした」
そう言えるってことは、それはそれでいいことなのかもしれないな。なんてこと、書きながら自身に言い聞かせたり。。


唯一、やっぱり文庫本かな、日々のスパイスというか、「波」を与えてくれているのは。
「冒険」「山岳」というキーワードが付いた小説には、それだけでめっぽう弱く、ほかの小説類と比べてハードルはかなり低く、すぐにその世界観に引き込まれる体質があって。
すっごい遅ればせながら、ようやく出会えた笹本稜平という作家。


まず、『還るべき場所』から入り、

還るべき場所 (文春文庫)

還るべき場所 (文春文庫)


次、手にしたのは『時の渚』。

時の渚 (文春文庫)

時の渚 (文春文庫)


ストレートな、K2を舞台にした硬派な山岳小説『還るべき場所』は、「それなりに」楽しめた読了感。
『時の渚』は、いやー良かった!
さすが「サントリーミステリー大賞」受賞作。
小説を読んでいてグッと(涙が、ね)くることって、そうそうないんだけど。
キました、何度かキたね、この物語には。
あと、笹本稜平という作家が本物で、「この人の作品群、しばらくハマるなあ」と確信した台詞がこちら。


「観光地として注目されるようになるのはいいんですが、そうなると歴史も文化も人の暮らしも、みんな商品という視点で眺めがちになる。手軽に買えるパッケージ商品にするために、歴史は単純化され風景は選別され、新しい観光やレジャーのメニューが加えられる。全国の秘境とか古都とかいわれる地域はみんな似たようなもんでしょうけどねーー」


別の意味でグッとキました。この作家、わかってるなあーと。
まさに「観光人類学」の視点。
信じられます、この作家。