結局、雪は降らなかったけれど。
山口洋さんと藤井一彦さんのソロ・アルバム、それからというもの、繰り返しずっと聴いている。
以前『Vintage Guitar』というオールド・ギターを専門に扱ったムック本を編集していた。
その媒体で、山口さんと藤井さんの対談を行なったことがある。
個人的にはもちろん、客観的に見聴きしても、ふたりは日本随一のギタリストだと思っていて。
フロントマンであり、ヴォーカリストであるふたりは、しかし元々はギタリストだった。
ヒートウェイヴとグルーヴァーズ、どちらも歴史をさかのぼれば、ヴォーカリストが途中で脱退、やむを得なくふたりは「歌」も兼任することに。
そんな背景からも、対談をセッティングさせていただく前から、ふたりの源流は限りなく近いーーと思っていた。
そしてその思いは、間違いではなかった。
対談の中で、山口さんは言った。
「ギター・コンビってあるじゃない。トム・ヴァーラインとリチャード・ロイドとか、キースとロン・ウッドとか。そういうのって、僕は一彦とだったらできると思うんだ」
この2枚のアルバムを交互に聴いていると、山口さんの言葉が思い出される。そして、
いつの日か、そんなステキなプレゼントが、きっと届けられる…と。